この記事は「MBR形式とGPT形式の違い(パーティション)」について説明しています。意外と細かい部分で違いがあり中々結論を出すのは難しいですが、初心者の方でもわかりやすいようにあえて結論を出してみました。HDDやSSD増設後、MBRとGPTどちらを選べばいいのか分からない方にも説明しています。
以下の方を対象としています
・MBRとGPTそのものがよくわからない
・MBRとGPTの違いを知りたい
・MBRとGPTどちらを選べばいいのか知りたい
・SSDやM.2 SSDではどちらを選べばいいのか知りたい
目次
ディスクの初期化の画面
HDDやSSD、M.2 SSDなどをPCに取り付けただけではPCは認識せず、増設後は「ディスクの管理」からディスクの初期化をしてPCに認識させる必要があります。
ディスクの管理を開くにはWindows10、Windows11共に「①スタート」ボタンをクリック→「②ディスクの管理」で開く事が出来ます。
そして「ディスク管理」の画面を開くと、下記のような画面が出てきて「MBR」と「GPT」どちらかを選ばなければなりません。
これはいわゆる初期化(フォーマット)する前に、パーティションの形式をどうするのか決めないとパソコンがHDD・SSDを認識しないため、このような画面が出てきます。
まずは、MBRとGPTどちらを選べばいいのかざっくりと答えをお伝えして、MBRとGPTとは何なのか簡単に説明していき、最後にMBRとGPTの違いについて説明して行きたいと思います。
パーティションについてよくわからない方は、下記の記事を参照してください。
MBR形式とGPT形式どっちを選べばいいの?
MBR形式とGPT形式はどちらを選ばいいのかは、以下の3つの項目によって違ってきます。
- 現在使用しているOS
- ドライブがシステム用なのか?データ用なのか?
- 32ビットなのか?64ビットなのか?
こう言うとごちゃごちゃしているので、説明は要らないから結論だけ伝えて欲しいと言う方向けに少し強引ですが、OS別で結論を出すと以下になります。
※Vista以降はパソコンが64ビットの場合であればGPT1択です。 |
ではなぜ上記のようになるのか、具体的に説明して行きたいと思います。
MBR形式・GPT形式とは?
MBRとGPTを説明する上でどうしてもこの部分に関しては専門的になってしまいますが、ご了承ください。
パソコンの電源を入れた後にパソコンが起動するまでの流れは以下になります。
|
MBRまたはGPTとはこの「4番」の部分に当たる部分になります。
簡単に言うと、MBRとGPTとはHDD・SSDを読み込む際に1番初めに読み込まれる領域の事を言います。
では次に特徴について簡単に説明したいと思います。
1.MBR形式の特徴
MBR形式とは(Master Boot Record)の略で、マスターブートレコードと読みます。
古くからあるパーティション形式で、XP以前のOSでも使用することが可能です。ただし、HDD・SSDの容量は2TBまでと上限があります。
2.GPT形式の特徴
GPT形式とは(Globally Unique IDentifier Partition Table)の略で、ガイドパーティションテーブルと読みます。
新しいパーティション形式で、Windowsが正式にGPTに対応したのはWindows Vista以降となるので、XPを含め以前のOSでは基本的には使用することが出来ません。
HDD・SSDの容量の上限は、8.5ZBとなります。※1
※1 1ZBは1TBの10億倍なので、85億TBとなります(笑)。宇宙ですね。
MBR形式とGPT形式の大まかな違い
MBRとGPTの主な違いについてになりますが、OS用(システム用)として使うのか、データ用として使うのかでMBR、GPT共に異なります。詳細は追って説明して行くのでまずはザックリ違いを説明して行きます。
項目 | MBR形式 | GPT形式 |
---|---|---|
新旧 | 古い | 新しい |
ブート方法(PC起動時のプログラム) | BIOS(どのマザーボードでも対応) | UEFI(マザーボードがUEFIに対応している必要がある) ※1 |
サポートしているパーティション数 | 最大4個 | 最大128個 |
ドライブの容量 ※2 | 2TB以下まで対応 | 2TB以上も対応 |
ビット数 | 32ビット、64ビット | 64ビットのみ |
対応OS | Windows XP以降 | Windows Vista以降 |
※1 UEFIとは、Intel 6シリーズのマザーボードから導入されたチップセットで、2010年頃のPCからBIOSからUEFIの移行が進んでおり、Windows11ではUEFIに対応しているマザーボードで無いとOSをインストールする事は出来ません。そしてUEFIには「セキュアブート」と言う機能があり、信頼されていないソフトウェアの起動を防止します。セキュアブートはデータ用のドライブでも間接的に支援は受けられます。
※2 Windows XP以前のOSでは、2TBを超えるハードディスクは4Kセクタに対応していなければ使用する事が出来ない。
続いて対応しているOSについて説明していきます。
MBR形式とGPT形式の対応OSについて
対応OSについてですが、さらに細かく分けるとOS用とデータ用で分けられ2つのポイントがあります。
- MBRとGPTは、対応しているOS、システム用とデータ用どちらで使うかによって変わって来る
- 32ビット、64ビットによっても変わって来る
知らない人からすれば意味不明だと思いますが、Windows11より前のOSは32ビット、64ビットどちらか選ぶ事ができました。違いについては以下になります。
32bitと64bitの違いのまとめ
①32bit版では64bitのアプリケーションソフトは使用できません。
②アプリケーションソフトが32bitのものでも「WoW64」が搭載されているので、ほとんどのソフトは64bit上で動かせます。
➂32bitではメモリが4GBまでしか認識しない
④アプリケーションソフト、周辺機器が64bitに対応していれば64bitにするデメリットは無いです。
自分のパソコンのOSが分からなかったりビット数が分からない場合は、下記の記事を参考にして下さい。 |
【各OSのビット数、MBRとGPT、OS用とデータ用のまとめ】
Windows XPからの各OS毎に表にまとめてみたので参考にしてみて下さい。
OS | MBR(OS用) | MBR(データ用) | GPT(OS用) | GPT(データ用) |
Windows XP 32ビット |
〇 | 〇 | × | △ 非公式だが対応できる場合がある |
Windows XP 64ビット |
〇 | 〇 | × | 〇 |
Windows Vista 32ビット |
〇 | 〇 | × | × |
Windows Vista 64ビット |
〇 | 〇 | 〇 UEFIサポートが必要 | 〇 |
Windows 7 32ビット |
〇 | 〇 | × | × |
Windows 7 64ビット |
〇 | 〇 | 〇 UEFIサポートが必要 | 〇 |
Windows 8/8.1 32ビット |
〇 | 〇 | × | 〇 |
Windows 8/8.1 64ビット |
〇 | 〇 | 〇 UEFIサポートが必要 | 〇 |
Windows 10 32ビット |
〇 | 〇 | × | 〇 |
Windows 10 64ビット |
〇 | 〇 | 〇 UEFIサポートが必要 | 〇 |
Windows 11 64ビット |
× | 〇 | 〇 UEFIサポートが必要 | 〇 |
Windows11では64ビットのみ
Windows11のパソコンでは32ビットはありません。64ビットのみになります。
結局MBRとGPTどちらがいいの?まとめ
MBRとGPTの違いを踏まえて結局のところどちらを選ぶかになってきますが、上記のMBRとGPTの違いで書いたように、環境によって変わってくるという事になります。
ちょっと複雑ですが、ここまでの説明をまとめてからMBRとGPTどちらを選べばいいのか最後に3つに分けて説明して行きます。
①MBRとGPTのまとめ
GPTは新しい形式で支援が多い事は覚えておきましょう。そうなると必然とGPT1択になるのが分かるかと思います。
- MBRは2TB以下のドライブ容量しか使用できない
- GPTは2TB以上のドライブ容量を使用する事が出来る
- Windows XPではMBR1択(2TB以下)
- Windows Vista以降であればGPTの方がいい
②OS別ではどちらがいいの?
例えばWindows11ではOS用ではGPT1択になりますが、データ用ではMBRも使えます。ただし、こういう説明をすると一つ一つ説明しなければならずややこしくなるので、ざっくりとOS別にMBRまたはGPTどちらがいいのか結論を出したいと思います。
細かい部分については先述した表を参考にして下さい。
- Windows XPではMBR
- Windows VistaからWindows10まではGPT
- Windows11ではGPT
※Vista以降は64ビットに対応しているのであればGPT1択です。
➂SSDやM.2 SSDではどちらがいいの?
HDDやSSDまたはM.2 SSDでの違いはありません。MBRかGPTを選ぶ基準は「OSとビット数」になりほとんどの場合「OS」で判断する事になります。
「MBR形式とGPT形式の違い(パーティション)」については以上になります。
参考になればよかで~す^^
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