Windows11 M.2 SSD増設後の正しい設定方法

ここではWindows11のパソコンで、M.2 SSDを増設後、正しく設定してPCに認識させるための方法を案内しています。この設定方法は初めて行う場合や久しぶりに行う場合は、細かい部分で専門用語が出てきてわかりづらい項目が多々あります。よって、初心者の方にも理解できるように1つ1つ説明していきます。案内ではM.2 SSDですが、HDD・SSDでも一緒なので参考にしてみてください。

 以下の方を対象としています
・ドライブを取り付けたはいいけどエクスプローラーでは表示されていない
・MBRとGPTどちらを選べばいいの?
・パーティション分割はした方がいいの?
・ファイルシステムは何を選んでいいのかわからない
・クイックフォーマットとフォーマットどちらを選ばいいの?
・アロケーションユニットって何?

対象OSWindows11

※Windows Updateの最新の更新プログラムにより内容が変更する事がありますが、その際はご了承ください。

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M.2 SSD増設後はフォーマット(初期化)をする必要がある

M.2 SSDをPCに取り付けただけでは使用する事はできなく、エクスプローラーから確認してもドライブを見つけることはできません。

SSD M.2をPCに取り付けた後、エクスプローラーから見れない

これは機器自体は正常に接続されていてもOSがM.2 SSDのドライブを認識していない状態なので、必ずフォーマットを行いPCに認識させる必要があります。

ここではM.2 SSD増設後(HDD・SSDでも一緒)の設定について、初心者の方でも理解できるようにかみ砕いて説明して行きます。

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Windows11 M.2 SSD増設後の設定の操作手順

では操作手順の方に入りたいと思います。

1.「①スタート」ボタンを右クリック→「②ディスクの管理」を左クリックします。

※管理者で無いと「ディスクの管理」は開く事が出来無いので、管理者でない場合は管理者でログインし直してください。

「①スタート」ボタンを右クリック→「②ディスクの管理」を左クリック

 

2.「ディスクの初期化」画面になりまず始めに「MBR」と「GPT」どちらか選ばなければなりません。

「MBR」と「GPT」どちらか選ぶ

 

3.先にお伝えすると、Windows11であればGPT1択になります。

Windows11でのMBRとGPTの違いについては以下になります。

項目 MBR形式 GPT形式
新旧 古い 新しい
ブート方法(PC起動時のプログラム) BIOS(どのマザーボードでも対応) UEFI(マザーボードがUEFIに対応している必要がある) ※1
サポートしているパーティション数 最大4個 最大128個
ドライブの容量 ※2 2TBまで対応 2TB以上も対応
ビット数 32ビット、64ビット 64ビットのみ
対応OS Windows XP以降 Windows Vista以降

※1 UEFIとは、Intel 6シリーズのマザーボードから導入されたチップセットで、2010年頃のPCからBIOSからUEFIの移行が進んでおり、Windows11ではUEFIに対応しているマザーボードで無いとOSをインストールする事は出来ません。そしてUEFIには「セキュアブート」と言う機能があり、信頼されていないソフトウェアの起動を防止します。セキュアブートはデータ用のドライブでも間接的に支援が受けられます。

※2 Windows XP以前のOSでは、2TBを超えるハードディスクは4Kセクタに対応していなければ使用する事が出来ない。

MBR形式とGPT形式の違い(パーティション)より引用

リンク元で詳しく解説していますが、MBRとGPTは上記に加え更にシステム用(OS用)とデータ用のドライブで若干違ってきます。

Windows11で言えば、システム用のドライブではGPTしか対応していません。一方、データ用のドライブはMBRでも使用することはできますが、※1の赤い文字で説明している通りGPTではセキュアブートの支援がデータ用のドライブでも間接的に受けられるので、Windows11ではGPT1択になります。

よって、1TBのドライブであっても、Windows11ではGPTの方がいいと言う事になります。

HDDやSSD、M.2 SSDでは違いがあるの?
各ドライブでのMBRとGPTの違いはありません。

 

4.初期化したい「①ドライブ」にチェックが入っている事を確認→「②GPT(GUIDパーティションテーブル)」を選択→「➂OK」ボタンをクリックします。

「①ドライブ」にチェックが入っている事を確認→「②GPT(GUIDパーティションテーブル)」を選択→「➂OK」ボタンをクリック

 

5.すると画面が切り替わり左の項目に先ほど選択した「①ディスク1」と言う項目が表示され、右側に「②未割当て」のパーティションが表示されます。

「①ディスク1」と言う項目が表示され、右側に「②未割当て」のパーティションが表示される

 

6.この状態ではまだPCは認識できていないので、認識させるためにドライブをフォーマット(初期化)します。

「①未割り当て」の部分を右クリック→「②新しいシンプルボリューム」を左クリックします。

「①未割り当て」の部分を右クリック→「②新しいシンプルボリューム」を左クリック

 

7.「新しいシンプルボリュームウィザードの開始」の画面になるので「次へ」をクリックします。

「次へ」をクリック

 

8.次に「ボリュームサイズ」を指定していきます。

次に「ボリュームサイズ」を指定する

ボリュームサイズとは「パーティション分割するかどうか」の意味に直結します。

パーティション分割とは?
パーティション分割とは、1つのドライブ複数の領域に分けて使用する事を言います。メリットやデメリットについては後述します。
「パーティションとは?間取り図を例にして考えてみると解りやすい」

Dドライブ以降のデータ用は、用途がはっきり決まっているのであればパーティション分割していいですが、用途がはっきり決まっていなかったりよく分からない場合は分割はせずにそのまま使用しましょう。

分割後に「やっぱり4つに区切りたかった」「もっと1つの領域の容量を確保すればよかった」など納得がいかなかった場合、後からでも変更することはできますが、実際のところは行ってみないとわからなかったり、さらに分割しようと後からした時にバックアップを取らなければならなかったりと面倒くさい事が起きる場合があります。

パーティション分割のメリットとデメリットは、OS用ドライブとデータ用ドライブでは意味が若干違ってきますが、下記はデータ用のみの説明になります。

データ用ドライブによるパーティション分割のメリットとデメリット

  • Aのパーティション領域がウイルス感染した場合、Bのパーティション領域は感染を防ぐ事ができる可能性がある
  • データの管理が楽になる場合がある
  • 逆にデータの管理が大変になる場合がある

HDDは分割することにより断片化を防ぐことができる
HDDに関してはパーティション分割することによりデータの断片化を防ぎ、パフォーマンス低下を防ぐことができます。
断片化についてよくわからない方は下記の記事を参考にしてください。
「HDDでは断片化を各パーティションの領域で限定的になるためパフォーマンス低下を防ぐ事が出来る」
※繰り返しになりますが、初心者の方でパーティション分割について理解できない場合は、分割はせずそのまま使っても問題ないです。無理する必要はありません。

 

9.例えば2つにパーティション分割をしたい場合は「①最大ディスク領域」に表示されている数字を2で割って「②シンプルボリュームサイズ」に入力します。

2つにパーティション分割をしたい場合は「①最大ディスク領域」に表示されている数字を2で割って「②シンプルボリュームサイズ」に入力する

 

10.今回はパーティション分割しないので数字はこのままにして「次へ」をクリックします。

「次へ」をクリック

 

11.では次の3項目について説明していきます。

①次のドライブ文字を割り当てる、②次の空のNTFSフォルダーにマウントする、③ドライブ文字またはドライブパスを割り当てないの説明

①次のドライブ文字を割り当てる
こちらを選ぶのが最も一般的です。
2台目のドライブは「D」3代目のドライブは「E」とアルファベット順に割り当てて行くのが一般的です。

アルファベットの考え方
このドライブに割り当てられているアルファベットの事を「ドライブレター」と言います。
「A」や「B」もありますが、このAやBはフロッピーディスク時代に使われていたアルファベットで、HDD以降では使われることはまずないです。

②次の空のNTFSフォルダーにマウントする
こちらはあまり一般的では無いです。
次の空のNTFSフォルダーにマウントするとは、例えばCドライブの容量が少なくなってきた時に、Cドライブの容量を増やすことができます。
よくある事例としてCドライブのみでパソコンを使用しており、Cドライブの空き容量が少なくなってきたため外付けドライブを購入して、容量を増やしたとします。
そして、何らかしらのゲームのアプリをインストールしようとしたところ、今まで保存していたCドライブはいっぱいなので、増設したDドライブ以降にゲームをインストールします。
するとCドライブ(過去のゲーム)にもDドライブ(新しいゲーム)にもゲームがある状態になり、パソコン内がごちゃごちゃしてきて管理がめんどくさくなったりするときがあります。
そんな時にこの「次の空のNTFSフォルダーにマウントする」事により、パソコン上ではCドライブに新しいドライブを「足せる」と言う事になり、Cドライブの容量が理論上増えます。
そのほかの詳細やメリットデメリットについては下記でまとめているので参考にしてみてください。

③ドライブ文字またはドライブパスを割り当てない
こちらもあまり一般的では無いです。
ドライブ文字またはドライブパスを割り当てたくない時と言うのは、とりあえずPCには認識させておいてパーティション分割の編成を考えたりしている場合や、他のパソコン(OS)で使用予定の場合などがあります。
この説明でピンと来ないのであれば関係のない話です。

 

12.よければ「次へ」をクリックします。

「次へ」をクリック

 

13.次にここからフォーマットをしていきます。

以下の項目は専門的な項目が多くあり、詳細については説明するとかなり長くなってしまうのでしません。ただし、どうしても詳細を知りたい方は、各項目にリンクを貼っておくのでそちらを参照して下さい。

パーティションのフォーマットをする際の画面

①このボリュームをフォーマットしない

こちらを選ぶとフォーマットしない事になります。ただし、フォーマットは必ずしなければならないのでこちらにはチェックは入れません。詳細については省きますが新しいHDD・SSDでも必ずフォーマットしてください。

理由を知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

「フォーマットをする意味とは?」

②このボリュームを次の設定でフォーマットする

こちらにチェックを入れます。

③ファイルシステム

ファイルシステムとはHDDやSSDのどの領域にデータがあるのか把握したり、どの領域が開いておりデータを書き込めることができるのかを行ってくれる機能になります。

そして、ファイルシステムには主に「exFAT」「NTFS」の2種類があり、このファイルシステムの詳細について説明すると長くなってしまうので省きます。

知りたい方は下記の記事を参照してください。

「初心者でも理解できるファイルシステムとは?」

Windowsのパソコンもしくは現在ドライブを繋げているパソコンでしか使用しないのであれば「NTFS」1択になります。

WindowsとMacで使用するのであれば「exFAT」になります。

④アロケーションユニットサイズ

小さいファイルから大きなファイルまでいわゆる一般的な使い方をするのであれば気にする必要はなく「既定値」で大丈夫です。

なかなかないと思いますが、例えば大容量のファイルのみ使用する場合や、小さいファイルのみを使用する場合は、アロケーションユニットサイズの数字を変更するとファイルの断片化を防ぐ事ができてドライブのアクセス向上が見込めます。

より詳細について知りたい方は下記を参照して下さい。

「アロケーションユニットサイズの意味を深く理解する」

➄ボリュームラベル

ボリュームラベルとはエクスプローラーなどに表示される「名前」になり、自由に名前を付けることができます。

例えば動画置き場専用のドライブの場合、「動画用」と名前にすれば以下のように「動画用(D:)」と表示されます。

「動画用」と名前にすれば以下のように「動画用(D:)」と表示される

仮に適当につけてしまった場合でも下記のように後から変更する事が出来ます。

エクスプローラーから「①ドライブ」を右クリック→「②プロパティ」をクリックします。

「①ドライブ」を右クリック→「②プロパティ」をクリック

上のタブが「①全般」になっていることを確認→「②ドライブのアイコン」の右側にあるところで名前を変更することができます。

上のタブが「①全般」になっていることを確認→「②ドライブのアイコン」の右側にあるところで名前を変更することができる

どんな名前を付ければいいのか分からない場合はそのまま「ボリューム」にしておきましょう。

⑥クイックフォーマット

クイックフォーマットとは簡易的なフォーマットになります。

通常のフォーマットは以下の2つを行うのに対し、クイックフォーマットは「2」しか行いません。

  1. ファイルシステムの消去(ファイルの管理情報を消去)
  2. 不良セクターのチェック(使用できない領域を発見し使えないようにする)

HDD・SSDを使用していると不良セクターは必ず出てきます。

そして、不良セクターがあるからと言ってパソコンが使用できなくなるわけではないですが、不良セクターが多くなってくるとHDD・SSDのアクセス速度に影響が出てきて、最悪の場合はパソコンが重くなったりフリーズしてしまうことがあります。

この不良セクターは新品なドライブであっても見つかることがあります。

通常のフォーマットはクイックフォーマットと比べると不良セクターのチェックが入るのでフォーマットする時間はかかってしまいますが、新品なドライブであってもクイックフォーマットではなく必ず通常のフォーマットを行うようにしましょう。

詳細について知りたい方は下記の記事を参照して下さい。

「フォーマットとクイックフォーマットの違いについて」

➆ファイルとフォルダーの圧縮を有効にする

保存するデータを圧縮してドライブの空き容量を確保できるというメリットがあります。

ただしデメリットもあって、チェックを入れるとデータを読み込んだり書き込んだりするたびに圧縮したり解凍したりと言う、本来ない作業が生まれるので結果的にドライブのパフォーマンスが落ちてしまいます。

よって、パフォーマンスを優先するのであればチェックは入れず、空き容量の確保を優先するのであればチェックを入れましょう。

個人的な意見ですが、自分はパフォーマンスを優先したいためチェックは入れません。

 

14.よければ「次へ」をクリックします。

「次へ」をクリック

 

15.今までの設定した「①内容」に間違いがないか確認→よければ「②完了」ボタンをクリックします。

今までの設定した「①内容」に間違いがないか確認→よければ「②完了」ボタンをクリック

 

16.すると最初の「ディスクの管理」画面に戻り「フォーマット」が始まるので待ちます。

※環境によってはフォーマットするまで時間がかかる場合があるので、アイコンがくるくる回っていても気長に待ちましょう。環境にもよりますが私の場合M.2 SSD 2TBで約1時間ほどでした。

「フォーマット」が始まるので待つ

 

17.フォーマットが終わるとフォーマット中から切り替わり「ボリューム(D:)」と表示されれば、M.2 SSDの増設後の設定は終了になります。

「ボリューム(D:)」と表示されればこれで、m.2 ssdの増設後の設定は終了

 

18.エクスプローラーを開くと「Dドライブ」があることが確認できます。

エクスプローラーを開くと「Dドライブ」があることが確認出来る」

他にパーティション分割したり、他のドライブがある場合はこちらをクリックして案内に戻ってください。

以上になります。お疲れさまでした!

関連記事

「CドライブとDドライブとは?違いについて」

「フォーマットをする意味とは?」

「HDD/SSD パーティション分割のメリットとデメリットを徹底解説!」

「初心者でも理解できるファイルシステムとは?」

「アロケーションユニットサイズの意味を深く理解する」

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