メモリーとはRAM(Random Access Memory)の略で日本語では主記憶装置といいます。
パソコンで使用するデータを一時的に保管する場所です。
よく例えで言われているのが以下になります。
- CPU 人間または人間の脳
- メモリー 作業する机の広さ
- ハードディスク 書類が保管されている本棚
作業する机の広さなので机が広ければ広いほど、色々な物を机に置けて素早く情報のやりとりができパソコンが高速化してキビキビ動きます。
初心者の方でパソコンを高速化したいのであればまずこのメモリーの増設をおすすめします。
CPUやハードディスクもそうですが、メモリーは1番手っ取り早く交換なり増設もそれほど難しくはないのでおすすめです。
メモリーが使われているとパソコンが重たくなる事があるので、一度、お使いのパソコンのメモリーがどのぐらい使用されているのか確認することをおすすめします。
目次
メモリーのスペックの見方
メモリースペックの基本的な見方
では価格.comで掲載されている以下のメモリーを例にしてみて見ましょう。
W3U1600HQ-4G [DDR3 PC3-12800 4GB 2枚組]
①メーカーの型番 | ②容量 | ③種類 | ④名前 | ⑤容量と枚数 |
---|---|---|---|---|
W3U1600HQ | 4G | DDR3 | PC3-12800 | 4GB 2枚組 |
メモリーのメーカーの型番
メーカの特有の型番でメーカーによって表記の仕方は様々です。
メーカーの型番よりも「③種類」と「④名前」を意識してみたほうがいいです。
何故かというと「③種類」と「④名前」はメーカーが違ってもここの部分はメーカー特有の型番ではなく、全てのメモリーに対して呼び名が一緒だからです。
2015年8月現在価格.comを参照しメモリーの種類が多い順に並べてみました。
- Transcend(トラセンド)
- Kingston(キングストン)
- Adtec(アドテック)
- G.skill(ジースキル)
- Corsair(コルセア)
- CENTURY MICRO(センチュリーマイクロ)
- Buffalo(バッファロー)
などなど・・・
メモリーは物凄い数のメーカーがあります。
中には「ノーブランド」という物があり価格は安いですが、当たり外れがあり色々と不都合な事が起きたりする事があるのでメモリーを選ぶ際は「メーカー」のもの選びましょう。
メモリーの容量
メモリーの容量の単位は「MB(メガバイト)」「GB(ギガバイト)」で表します。
この容量が大きければ大きい程色々なアプリケーションソフトを立ち上げたりする事ができ、高速化できます。
ただ、使用する用途によってはメモリーを増設しても意味が無い事がありますので、用途に合った使い方をしましょう。
インターネットやメール、DVDを観たりする用途であればおよそ以下の感じになります。
512MB、1GB | 2GB | 4GB以上 |
重く感じる | 場合によっては重くなる | 快適に使える |
4GB以上の大容量のメモリーを使うのであれば「OS」は64bitがおすすめです。
何故ならOSが32bitだとメモリは4GB(実質3GB前後)までしか使用できないからです。
一度、お使いのパソコンがどのくらいの容量が搭載されているか確認してみることをおすすめします。
メモリーの種類と名前
メモリーはデスクトップパソコン用とノートパソコン用があります。
メモリーによっては「DIMM」や「SO-DIMM」という表記は、商品名には書いておらず詳細に書いてある場合があるので間違わないように気をつけましょう。
- DIMM デスクトップ用
- SO-DIMM ノートパソコン用
お使いのパソコンがどのような規格のメモリーを使用しているのかを知るためには、マニュアル(説明書)に必ず書かれているので見てみましょう。
もしマニュアル(説明書)がなければインターネットでパソコンの型番や名前を検索してみましょう。
例えば同じ「DDR3」でも様々なものがあり「③種類」だけの情報では判断できないので、「④名前」も見る必要があります。
専門的な用語で言うと下記の言葉になります。
- ③種類 「チップ規格」
- ④名前 「モジュール規格」
モジュール規格は「FSB」データの通信速度を表します。
この2つの情報を見ることによりメモリーのスペックが判断でき、数字が高ければ高くなるほど性能がいいという事になります。
このメモリーは「DDR3」となっており、中には「DDR3 SDRAM」という表記がありますがこの違いは無く正式名称として「DDR3 SDRAM」と言います。
メモリーの比較と一覧
種類別に一覧にまとめてみましたので自分のパソコンがどのぐらいのスペックなのか比較してみるのもいいですね。
●DDR SDRAM
2001年から2005年頃までに使われていた。
チップ規格 | モジュール 規格 |
動作周波数 (MHz) |
最大転送速度 (GB/秒) |
DDR200 | PC1600 | 200Mhz | 1.600GB/秒 |
DDR266 | PC2100 | 266Mhz | 2.133GB/秒 |
DDR333 | PC2700 | 333Mhz | 2.667GB/秒 |
DDR400 | PC3200 | 400Mhz | 3.200GB/秒 |
DDR466 | PC3700 | 466Mhz | 3.733GB/秒 |
DDR500 | PC4000 | 500Mhz | 4.000GB/秒 |
DDR533 | PC4200 | 533Mhz | 4.267GB/秒 |
DDR550 | PC4400 | 550Mhz | 4.400GB/秒 |
●DDR2 SDRAM
2005年から2009年頃までに使われていた。
チップ規格 | モジュール 規格 |
最大動作周波数 (MHz) |
最大転送速度 (GB/秒) |
DDR2-400 | PC2-3200 | 400Mhz | 3.200GB/秒 |
DDR2-533 | PC2100 | 533Mhz | 4.267GB/秒 |
DDR2-667 | PC2-5300 | 667Mhz | 5.333GB/秒 |
DDR2-800 | PC3200 | 800Mhz | 6.400GB/秒 |
DDR2-900 | PC3700 | 900Mhz | 7.200GB/秒 |
DDR2-1000 | PC4000 | 1000Mhz | 8.000GB/秒 |
DDR2-1066 | PC4200 | 1066Mhz | 8.533GB/秒 |
DDR2-1150 | PC2-9200 | 1150Mhz | 9.200GB/秒 |
DDR2-1200 | PC2-9600 | 1200Mhz | 9.600GB/秒 |
●DDR3 SDRAM
2007年から現在2015年に至るまでに使われている。
チップ規格 | モジュール 規格 |
最大動作周波数 (MHz) |
最大転送速度 (GB/秒) |
DDR3-800 | PC3-6400 | 800Mhz | 6.400GB/秒 |
DDR3-1066 | PC3-8500 | 1066Mhz | 8.533GB/秒 |
DDR3-1333 | PC3-10600 | 1333Mhz | 10.667GB/秒 |
DDR3-1600 | PC3-12800 | 1600Mhz | 12.800GB/秒 |
DDR3-1866 | PC3-14900 | 1866Mhz | 14.933GB/秒 |
DDR3-2133 | PC3-17000 | 2133Mhz | 17.067GB/秒 |
DDR3-2400 | PC3-19200 | 2400Mhz | 19.200GB/秒 |
DDR3-2666 | PC3-21333 | 2666Mhz | 21.333GB/秒 |
●DDR4 SDRAM
2015年から使われている。
チップ規格 | モジュール 規格 |
最大動作周波数 (MHz) |
最大転送速度 (GB/秒) |
DDR4-1600 | PC4-12800 | 1600Mhz | 12.800GB/秒 |
DDR4-1866 | PC4-14900 | 1866Mhz | 14.800GB/秒 |
DDR4-2133 | PC4-17000 | 2133Mhz | 17.000GB/秒 |
DDR4-2400 | PC4-19200 | 2400Mhz | 19.200GB/秒 |
DDR4-2666 | PC4-21333 | 2666Mhz | 21.300GB/秒 |
DDR4-3200 | PC4-25600 | 3200Mhz | 25.600GB/秒 |
DDR4-4266 | PC4-34100 | 4266Mhz | 34.100GB/秒 |
メモリーの容量と枚数
「容量」は何MBまたは何GBあるのかで「枚数」は枚数です(笑)
例えば4GBの後に「2枚組」や「X2」などの表示が無い場合は、1枚という事になりますが、2枚セットのほうが1枚ずつ購入するよりかはお得です。
2枚セットが多く見られるのは「デュアルチャネル」という技術を使うためです。
「デュアルチャネル」についての詳細は次の「メモリーのデュアルチャネル」をご覧ください
メモリーのデュアルチャネル、トリプルチャネル、クアッドチャネル
デュアルチャネルとは2枚の同じ規格の容量とメモリーを使い、データの送受信を高速化させる技術です。
「4GBを1枚」よりも「2GBを2枚」で使用したほうがデュアルチャネル対応であれば高速化できるという事です。
理論的には速度は2倍にアップしますが、体感的にスピードが上がったとは感じることはなかなか難しいでしょう。
とはいっても効果はあるのでデュアルチャンネルはおすすめです。
デュアルチャンネル以外にも以下のようなものがあります。
- トリプルチャネル(3枚使用)
- クアッドチャネル(4枚使用)
トリプルチャネルやクアッドチャネルは一般的な使い方ではまず使用しないでしょう。
プロフェッショナル向けです。
デュアルチャネルで使用する際の注意点
①同じ容量のものを使用する
2GBの2枚組みセット
4GBの2枚組みセットなど
1GBと2GBの2枚組みの容量の違うものは使用できません。
②同じメーカーのものを使用する
異なるメーカー同士では基本的には使用できません。
ただ、実際に異なるメーカで使用しても動作する事は多いのですが、保障外になってしまうので自己責任でお願いします。
③なるべく同じクロック周波数のものを使用する
例えば下記の場合
- DDR3-1600 (1600MHz)
- DDR3-2400(2400MHz)
同じメーカーで同じ容量でDDR3(規格)であればこの場合、DDR3-1600 (1600MHz)の遅いほうの速度に合わせられ使えるのですが、やはりパフォーマンスを最大限に生かすのであれば速いほうに合わせたいですね。
たまたまメモリーが余っていて使い回しをしたい時は、用途によってはいいですね。
④スロットに挿す際は同色にメモリーを挿す
下図のようにメモリースロットは色分けされている事が多いので、同色に挿しましょう。
中には全て同じ色もあるのでマニュアル(説明書)を見て確認しましょう。
⑤パソコン(マザーボード)が対応しているか確認してみる
最近のほとんどのパソコン(正確にはマザーボード)はデュアルチャネルに対応していますが、古いパソコン(マザーボード)では対応していない事があります。
お使いのパソコン(マザーボード)は対応している可能性があるのでマニュアル(説明書)やインターネットで自分のマザーボードが対応しているかどうか確認してみましょう。
自分のマザーボードが何を使用しているのかわからない場合は「CPU-Z」というフリーソフトで確認することをおすすめします。
元々パソコンの中に入っている「システムの情報」など自分のパソコンの詳細を表示してくれるソフトがあるのですが、結構ざっくばらんな表示が多いのでそんな時はこの「CPU-Z」を使えば、ものすごく細かな情報まで表示してくれて大変便利でおすすめです。
メモリーの相性問題
メモリーには相性問題というものがあり、パソコン側が認識できず原因を特定する事は難しいです。
これは不良品という意味ではなくて仕方の無い事です。
よく「相性保障」という言葉がありますがこれは商品を購入し手元に届いてから何日以内であれば返品できるというものです。
いわゆる通販でよくある「クリーニングオフ」と一緒です。
バルグ品にはご注意
「バルグ品」と呼ばれるものではこの相性問題が起きやすいです。
中にはバルグ品でも相性保障がつけられる場合もあるので、つけることをおすすめします。
メモリーの増設や交換をする際不安であればメーカー品を選びましょう。
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