仮想メモリ(ページファイリング)を正しく設定することでパソコンを高速化することができる場合があるので、パソコンが重かったり遅かったりする場合は、一度、仮想メモリ(ページファイリング)を見直してみることをおすすめします。
対象OSWindows7、Windows8/8.1、Windows10
この記事で得られること
Windows7、Windows8/8.1、Windows10のパソコンで仮想メモリ(ページファイリング)を正しく設定してパソコンを高速化することが出来る。
※この記事では、仮想メモリの正しい値は記載しておらず、最後のOS毎のリンク先で案内しております。よって、仮想メモリについての説明が要らない方は、こちらをクリックしてください(OS毎のリンク先へ飛びます)。仮想メモリの値が解らないと指摘してくださった「通りすがり」さん、この場を借りてお詫びと感謝のお礼を申し上げます。ありがとうございました。
目次
仮想メモリ(ページングファイル)とは?
仮想メモリ(ページングファイル)とは、メモリ領域を一時的にHDD・SSD上に保存して、パソコンの速度の低下を防ぐ機能です。Windowsはまず初めに物理メモリを使っていき足りないものに関しては、仮想メモリを使うように自動的に設定されています。
物理メモリとは下記のようないわゆる物理的なメモリの事をいい、物理メモリをパソコンに取り付けWindows(OS)が認識しているメモリの事を言います。
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DIMM デスクトップパソコン用のメモリ |
SO-DIMM ノートパソコン用のメモリ |
4GBのメモリを搭載すれば物理メモリは4GBとなります。
例えばインターネットブラウザを立ち上げてインターネットを行っているときに、メモリが足りなくなって来た場合、パソコン(Windows)は動作が重くなったり遅くなったりするので、その問題を解決するために、HDD・SSD内の領域から読み込み、または書き込みが行われます。
いわゆる、HDD・SSDを物理メモリ代わりにするとも言えます。
そして、HDD・SSDを物理メモリ代わりにする事を仮想メモリ(ページングファイル)と言います。
上記を踏まえて仮想メモリ(ページングファイル)とは、
「メモリを最大限に生かすこと=パソコンの動作が重くならないようにする」ことが目的なのです。
パソコンのデータの流れを理解することでより一層、仮想メモリの理解を深めることができるので簡単に説明していきます。
仮想メモリ(ページングファイル)から観るメモリとHDD・SSDとの関係
仮想メモリ(ページングファイル)の値を設定する前に、もう少し仮想メモリ(ページファイリング)を理解するためにデータの流れというものを簡単に触れていきましょう。
パソコンでどのようにデータが処理されているのか見てみましょう。
※上図はあくまで簡易版であって実際はもう少し複雑になってます
基本的なデータの流れはまずHDDからデータの情報が流れて、そのデータの情報がメモリに行き、最後にCPUに行きます。今度はその逆でCPUからメモリに行きHDDに行き、パソコンの中ではこのようにデータは行ったり来たりしています。
そして、メモリとHDDの間でデータを交換することをスワッピングと言います。
HDDはメモリよりも読み書きが遅いので、このスワッピングが頻繁に行われるとパソコンの処理速度は落ちてしまい、結果、パソコンが重いまたは遅いとなってしまいます。
仮想メモリは、物理メモリの容量が少ないパソコンだと物理メモリの容量が多いパソコンより支援の効果は大きいですが、明らかに物理メモリの容量が足りてない場合は、結果として頻繁にスワッピング(HDDとメモリのデータの移行)が行われるのでパソコンが重くなります。
スワッピングが頻繁に起きる場合は、仮想メモリを正しい値を設定しても効果が無いので、物理メモリの増設をするしかないです。
仮想メモリ(ページングファイル)を有効に設定するとパソコンが重くなる可能性がある
初期設定では仮想メモリはCドライブに設定されています。
仮想メモリがCドライブ(OSがあるドライブ)に設定されていると、メモリ領域の断片化がおこったときにWindows標準搭載されているデフラグでは、CドライブにWindowsのシステムファイルがあるため、メモリ領域の断片化されたファイルを最適化することが出来ません。
断片化されたHDDはアクセスする箇所が増えてしまい、結果、パソコンが重くなったり遅くなったりしてしまうのです。
※断片化について詳しく知りたい方は「デフラグで重いまたは遅いパソコンを高速化するために徹底的に追求してみる」の「2.断片化とは?」を参照してみてください。
仮想メモリ(ページングファイル)の断片化が起こってしまう理由
パソコン(Windows)を起動した直後は、初期サイズの仮想メモリ(ページングファイル)が作成されて、初期サイズで設定した容量が足りなくなると最大サイズを上限として自動的に拡大されます。
初期サイズと最大サイズに差がある状態で頻繁に仮想メモリ(ページングファイル)が作成されると、この時に断片化が起こってしまいます。
この理由から、初期サイズと最大サイズは一緒の値にしておくと仮想メモリ(ページングファイル)の断片化の発生を抑えることが出来ます。
仮想メモリ(ページングファイル)を断片化させないためには?
仮想メモリ(ページファイリング)を断片化させないためには、2つの方法があり、仮想メモリ(ページファイリング)を設定する前に下記の事を行っていたほうが断片化が防げるのでおすすめです。
①仮想メモリ(ページファイリング)の項目で「ページングファイルなし」に設定する
これはメモリが十分に足りている場合のみ有効です。「ページングファイルなし」にチェックを入れパソコンを再起動後、デフラグを実行します。
②別のHDD(ハードディスク)または別のボリュームに仮想メモリ(ページファイリング)を設定する
HDDが2つ以上ある場合または、パーティションでドライブを分けてある場合は、Cドライブ以外に仮想メモリ(ページファイリング)を設定すると、デフラグを行った際に綺麗に最適化することができますのでおすすめです。
最後に、仮想メモリ(ページファイリング)の最適な値を説明していきます。
仮想メモリ(ページファイリング)を無効にするのはいいのか?
プログラムやアプリケーションソフトによっては仮想メモリを要求する場合があるので、仮想メモリをゼロまたは無効に設定するのはあまりおすすめしません。
物理メモリが何らかの理由で使い切ってしまった場合は、処理ができず、開いてあるプログラムやアプリケーションソフトがエラーを起こし、固まってしまったり、パソコン(Windows)が不安定になる可能性があるからです。
インターネットを行っているときでも、仮想メモリが必要な時があります。
ただ、仮想メモリ(ページファイリング)をゼロまたは無効に設定したからといってパソコンが壊れるわけではないので、一度、ゼロまたは無効に設定して、色々プログラムやアプリケーションソフトを立ち上げて試してみるのもいいと思います。
ここで仮想メモリをゼロまたは無効にする際、2つの注意点があります。
①エラーが出ると保存していないデータは失われる
何かしらのアプリケーションソフトを使用していた時にエラーが出てしまい、そのプログラムやアプリケーションソフトを閉じなければならなくなった時に、保存していないデータは全て失われます。
よって、パソコンで他の作業を行いながら仮想メモリの設定をする際は、データを保存しなくてもいい作業を行いましょう。
②パソコンが古いまたは調子が悪い場合
あまりにもHDD(ハードディスク)の断片化が進んでいると、パソコン(Windows)が起動できない場合もあります。
仮想メモリ(ページファイリング)についての説明は以上になります。
仮想メモリ(ページングファイル)の計算方法と、おすすめな値は各OS毎に画像があった方が解りやすいと思うので、OS毎に記載してあります。
お使いのOSを下記のリンクから選んでください。
・Windows7
「Windows7仮想メモリ(ページファイリング)を正しく設定してパソコンを最適化する」
・Windows8/8.1
「Windows8/8.1 仮想メモリ(ページファイリング)を正しく設定してパソコンを最適化する」
結局、仮想メモリの数値をいくつにすれば正しい設定になるのか分からなかった。
読むだけ時間の無駄でした。
仮想メモリの正しい値は、最後の各OS毎のリンク先で紹介しております。
タイトルを見ると誤解してしまいますね。申し訳ないです。
冒頭でOS毎の記事にすぐに飛べるようにリンクを設置させていただきました。
ご指摘ありがとうございました!