この記事ではWindows10のパソコンで、仮想メモリ(ページファイル)を正しく設定する方法を案内をしております。
以下の方を対象としています
・仮想メモリ(ページファイル)を正しく設定をしてメモリ不足を解消したい
対象OSWindows10
※Windows Updateの更新プログラムの状況により、内容が変更されることがありますがその際はご了承ください。
目次
操作の案内の前に伝えておきたい事
仮想メモリ(ページファイル)とは、物理メモリが足りなくなってきた時に、メモリの内容をHDDやSSDに書き出し(スワップアウト)してメモリ不足を補う機能です。
例えば、4GBの物理メモリしかなくても5GBまで使えたりと、大変便利な機能です。
ただし、メモリの内容をHDDに書き出す(スワップアウト)行為が頻繁に続くと、逆にパソコンが重くなる原因にもなります。よって、仮想メモリ(ページファイル)を正しく設定してもパソコンが重くなる場合は、物理メモリの増設を考えなければなりません。
正しい値を設定するには、まずは、仮想メモリ(ページファイル)がどの程度使われているのか、把握しなければなりません。
環境によって値は変わってくるので、ここでは実際に私の環境で計算してみたいと思います。
Windows10 仮想メモリ(ページファイル)の計算方法
仮想メモリ(ページファイル)の計算方法は簡単で、ポイントを抑えれば計算が出来ます。
まずは、タスクマネージャーを開いてメモリの使用状況を確認します。
【タスクマネージャーの開き方】
・左下にある「①スタート」ボタンを右クリック→「②タスクマネージャー」を左クリック。 ・もしくは、「①タスクバーの何も無いところ」を右クリック→「②タスクマネージャー」を左クリック。 |
・タスクマネージャーが開いたら、上のタブの「パフォーマンス」タブを左クリック。
【タブが見当たらない場合】
・下記のように真っ白になっている場合は、左下にある「詳細」の文字を左クリックしてください。 ・するとタブやその他の情報が表示されます。 |
・「パフォーマンス」の画面になったら左の項目にある「メモリ」を左クリック。
・「メモリ」の画面になったら下図の「①」と「②」に注目します。
仮想メモリ(ページファイル)の計算方法は以下になります。
「②コミット済みー①使用している物理メモリの量=仮想メモリ」 |
コミット済みとは、使用されている物理メモリと仮想メモリの合計の数値です。よって、コミット済みから使用している物理メモリを引けば現在使用されている、仮想メモリ(ページファイル)が出せます。
現在のコミット済みは②7.7GBで、使用しているメモリが①5.0GBなので、
「7.7GB-5.0GB=2.7GB」 |
よって、このパソコンの目安は「2.7GB」が仮想メモリ(ページファイル)の正しい値となります。
しかし、ここで一つ気を付けたい事は、よく使用するプログラムを起動してメモリの使用率の状況を見ることです。
現在表示されている数値が必ずしも正しいとは限らない
例えば、普段から3つ使用するプログラムがあるのに、ブラウザだけを起動してyoutube動画を見て判断しては意味がないという事です。普段使用するプログラムを3つ起動して、すぐに計算しても意味がありません。メモリの使用率は常に変動していくので、何日間かメモリの使用率の変化を監視した方がいいです。特に決まりは無いと思いますが、1週間程度は様子を見た方が確実です。
個人的には、算出した数字に念を押してプラス300MBを足せばいいかと思います。ここでは先ほどの数値からすると、2700MB(2.7GB)+300MB=3000MBと言う事になります。
私の環境では、仮想メモリ(ページファイル)を2900MBでパソコンを使用していたらエラーが出たので、3000MBに変更しました。
ただし、ソフトによっては、「物理メモリの何倍かに設定してください」などの注意書きがあったります。よって、普段頻繁に使用しているソフトの仮想メモリ(ページファイル)の、推奨される値を念のため調べた方がいいかと思います。
仮にもし、メモリ不足でエラーが出るようであればいつでも変更できるので、まずは算出した値から入力してみましょう。
次は、実際に仮想メモリ(ページファイル)を設定してみたいと思います。
Windows10 仮想メモリ(ページファイル)を正しく設定してみる
Windows10で仮想メモリ(ページファイル)の設定画面を開くには、いくつか方法がありますが、ここではスタートボタンを右クリックから開く案内をしたいと思います。
簡易案内
スタートボタン右クリック→システム→システム情報→システムの詳細設定→設定→詳細設定のタブ→変更 |
・左下にある「スタート」ボタンを右クリック。
・項目が出てくるので「システム」を左クリック。
・システムの画面が開くので、下にスクロールして行きます。
・関連設定の中に「システム情報」があるので左クリック。
・左の項目にある「システムの情報詳細」を左クリック。
・システムのプロパティの画面になるので、パフォーマンスの中にある「設定」を左クリック。
・パフォーマンスオプションの画面になるので、上のタブにある「詳細設定」を左クリック。
・詳細設定の画面になるので、仮想メモリの項目の中にある「変更」を左クリック。
・仮想メモリ(ページファイル)の設定の画面になります。私のWindows10のPCでは、CドライブとDドライブの2種類が搭載されていて、各ドライブに対して仮想メモリ(ページファイル)を設定することも出来ます。
しかし、「すべてのドライブのページングファイルのサイズを自動的に管理する」にチェックが入っているため、このままだとCドライブは表示されていません。
・上にある「すべてのページングファイルのサイズを自動的に管理する」のチェックを左クリックで外します。
・チェックを外すとCドライブが表示されました。次は、仮想メモリ(ページファイル)の設定になりますが、ここで3つお伝えしておきたいことがあります。
1.複数のストレージがある場合
2台以上のHDDやSSDが搭載されている場合は、システム以外のドライブに仮想メモリを設定することをおすすめします。 システム以外のドライブに設定することにより、以下のメリットがあります。
Cドライブはページファイリング無しに設定し、Dドライブ以降のドライブにページングファイルを設定する。 2.パーティションで分けている場合 1つのHDD・SSDなどをパーティションで分けている場合、CドライブではなくDドライブに仮想メモリ(ページファイル)を設定するとシークタイムの距離が長くなり逆効果になるので、Dドライブでの仮想メモリ(ページファイル)の設定はやめておいたほうがいいです。 素直にCドライブで設定しましょう。 3.初期サイズと最大サイズに関して 仮想メモリ(ページファイル)の数値は、断片化を防ぐために初期サイズと最大サイズは同じ数値を入力しましょう。 |
では、実際に仮想メモリ(ページファイル)の設定をしていきましょう。
※ここではDドライブの案内となっておりますが、Cドライブのみの場合は、Cドライブを選択してください。
・「Dドライブ」を左クリック。
・下の項目にあるカスタムサイズを左クリックで「チェック」を入れます。
・初期サイズと最大サイズは断片化を防ぐために、「同じ数字」を入力する。ここでは先ほどのタスクマネージャーを参考に計算方法で算出した「2700MB」+「300MB」=3000MBを入力していきます。
繰り返しになりますが計算方法は、
「コミット済みー使用している物理メモリの量=仮想メモリ」となり、「初期サイズ」と「最大サイズ」は断片化を防ぐため、同じ数値を入力します。
・数字を入れ終わったらDドライブの「①ページングファイルのサイズ」が入力した数値になっているか確認→「②設定」を左クリックします。
・これでDドライブの仮想メモリ(ページファイル)の設定は終わったので、後は、Cドライブの仮想メモリ(ページファイル)を無効にします。
※Cドライブのみの場合は、ここで終了なのでこちらをクリックして案内に従ってください。
「Cドライブ」を左クリック。
・「①ページングファイルなし」に左クリックでチェックを入れる→「②設定」ボタンを左クリック。
・警告の画面が出てくるので「はい」を左クリック。
・右下にある「OK」ボタンを左クリック。
【以前に仮想メモリ(ページファイル)を設定したことがある場合】
以前に仮想メモリ(ページファイル)を設定したことがあるストレージの場合には、以下の警告が表示されるので、この場合は「はい」を左クリックしましょう。
・再起動を促す画面が出てくるので「OK」ボタンを左クリック。
再起動しないと、先ほど設定した仮想メモリ(ページファイル)は動作しないので、再起動をして完了です。
仮想メモリの値を変更後「コンピューターのメモリが不足しています」と表示された場合
仮想メモリ(ページファイル)を変更後、メモリが足りていないと、「コンピューターのメモリが不足しています」というエラーが出る場合があります。これは仮想メモリ(ページファイル)が小さすぎるためエラーとなっているので、仮想メモリ(ページファイル)の値を上げてみましょう。
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パソコンのドライブの空き容量を増やしたり、パソコンを高速化してみたい方は下記を参照してみてください。
「Windows10 仮想メモリ(ページファイル)を正しく設定してパソコンを最適化する」については以上になります。
参考になれば幸いです。
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